クリスマスをなめたらアカン
さて、今年も残すところあと1日となった。
こちらはクリスマス以降、人も街もホリデー状態だ。
去年ロンドンに住んでいた頃は、フラットメイトたちは皆外国人で独り者ばかりだったので
「クリスマス=伝統的な家族行事」とはまったく無縁だったが、今年はイギリス人家庭に居候しているので、イギリス家庭のクリスマスを垣間見ている。
ポールからは「うちのクリスマスは地味だよ」と聞いていた。私がイメージする、日本のお正月のような親戚同士が訪問しあったりするのは彼の家ではやらず、家族だけでお祝いするのだそうだ。
親戚同士が集まると、大抵最後は沢山お酒を飲んで口論になるのがオチなんだって。なんか、イギリスっぽい・・・。
”地味”と聞いていたけど、でもクリスマスが近づくにつれ、家のリビングにはクリスマスらしい飾り付けが日に日に増えて行った。
スタンダードなクリスマスツリー↓
(それにしてもこの家散らかりすぎ。余計なお世話だけど)
親戚や友人から送られてくるカード類は暖炉のそばに飾っていく↓
途中までは良かったが、飾るものが不足しているのか、やがてよく分からないものまで飾られ始めた。なぜか金魚が空中からぶら下がっている!↓
そしてちょうちんまで! これじゃ~クリスマスじゃなくて、ビヤガーデンだよ!おいっ!↓
哀愁漂うちょうちんは、リビングだけでは飽き足らず廊下まで浸食していった。もう暴走は誰にも止められない。↓
私は普段お世話になっているお礼として、クリスマスプレゼントをポールの両親にあげたいと思ったが、人の好み(ましてや国も年代も違う人)は分からないので、無難に食事に連れて行くのがいいと考えた。
ポールの妹のニコラに、どこのレストランがお勧めか聞いたら、車で20分ぐらいのところに地元で人気のイギリス料理のレストランがあるという。”予約しないと平日でも無理”というそのレストランは、駅からずいぶん離れたところにあるのに、予約をしに訪れたら昼間から超満員。
Whitmore Armsウェブサイト
一階がパブで2階がレストランとなっている。クリスマス限定のランチとディナーがあった。
http://www.whitmorearms.co.uk/
イギリスと言えば、イコールまずい食事で間違いはないのだが、このレストランのような地元でずっと続いていて、チェーン店ではないような店は、ずいぶん美味しい。
私たちが食べたのは、クリスマスランチのコース。一人約20ポンドで、前菜、メイン、デザートが選べる。メニューはこちら↓
http://www.whitmorearms.co.uk/christmaslunch.htm
私のメインディッシュはSlow Roasted Lamb Shank (served on cheesy mash with onion gravy)=直訳すると「ゆっくりローストした子羊のすね肉(チーズ風味のマッシュポテトにたまねぎのグレービーソースがけ)」だ。↓
既に前菜の時点で結構おなかいっぱいなんだが・・・! でも美味しい!
全員で記念写真。店の人にシャッターを押してもらう(こういうことするのは日本人の私だけ。まあ、良しとする)↓
そしてデザートは、私はイギリスの伝統的なクリスマスデザートである、クリスマス・プディングに挑戦。実はクリスマスプディングは嫌い、と言うイギリス人は多い。日本でも、伝統料理やお菓子は、元は保存食という観点から作られたものが多いので、常食するとか、大好きと言う人は少ないだろう。それと同じだ。ブランデーなどが沢山用いられ、かなり味の濃いクリスマスプディングは、スーパーではこの時期沢山売られているものの、皆が心待ちにするものではないらしい。
ここのクリスマス・プディングはずいぶん小ぶりだったので食べれた。味は、”一度は試しで食べてみる”という感じ。↓
お母さんは、お父さんがトイレに行っている間に、お父さんのデザートを味見!↓
みんな味とボリュームに満足して帰宅。私はこれで少しでも普段のお礼が出来たと一安心。クリスマスのプレゼントとしてご馳走したので、もうプレゼントに悩む必要は無い。やれやれ。
余談だが、最近カムデンに住む友達を訪ねたときに、オーガニックのナイスなカフェを発見。イギリスではオーガニックに関心がある人はあるので(ない人はまったくなく、かなり極端)、オーガニック食材や、ベジタリアン食材はどこでも手に入る。しかし、それは高額なお金を払えば、の話。バカ高い値段で野菜を食べる奴がいるか!と言いたくなるが、この店は、安価で、しかも美味しい! もし行く機会のある人は是非。
私が注文したのは、ラップサンドとフレッシュジュース。約1000円(それでもこちらでは安いほう)↓
My Villageウェブサイト
http://www.freshandorganic.co.uk/index.html
(店の住所以外の情報は全て工事中だし、サイトのデザインもなんかビミョー。しかし、店の雰囲気と味は太鼓判なので、ご安心を)
ポールのクリスマスプレゼントには、定期入れと、はだしのゲンのDVD(英語字幕版)をアマゾンで購入した。クリスマスプレゼントにはだしのゲン? と思う人もいるかもしれないが、私の映画の中で、ブライアンが「日本人の男の子で、ゲンを知ってる。勇敢な男の子。彼は私のヒーローだ」というシーンがあって、ゲンを知らないポールは、いつも「観たいなあ」と言っていたからだ。
そうして迎えたクリスマス。12時のランチは、今日はターキー(七面鳥)だ。丸1日かけてオーブンでローストしたもの。ターキーなんて、クリスマスと感謝祭、復活祭ぐらいしか食べないにもかかわらず、イギリス人家庭は、冷蔵庫やオーブンを購入するときに、「ターキーが冷蔵庫に入るか? ターキーが焼けるオーブンか?」ということに異常なこだわりを見せる。ポールの両親は、この秋に新しい冷蔵庫を買いに行ったのだが、わざわざ丸ごとのターキーを車に乗せて、お店に出向いたぐらいなんだから!
そのターキーのスライスに、蒸した野菜類(にんじん、じゃがいも、芽キャベツなど)、グリルしたじゃがいも、スタッフィングと呼ばれる詰め物のグリルが一人分づつ皿に盛られる。ターキー以外の内容は、普段の日曜日の昼食と変わらない。
面白いと思うのは、肉の種類によってソースが決まっていること。日本でも「秋刀魚には大根おろし!」とか、青魚なら何でもではなく、なぜかこれにはこれ、というような習慣があるでしょう? おでんには七味唐辛子ではなく、黄色の練りがらしとか。こちらもそうで、ビーフにはホースラディッシュ(西洋わさびと言われ、味もわさびに似ている。だが、わさびよりやや辛味は弱め。それにヨーグルトなどを混ぜてソースにする)、豚肉にはリンゴのジャム、そしてターキーにはクランベリーのソースがかけられるのだ。私にとってはなんでだろ? という感覚だが、イギリス人にはこれが黄金の組み合わせなのだ。
ご飯を食べ終わったあとは、プレゼントの交換タイムだ。ポールは、妹のニコラに任天堂のWii Fitを買っていた。これ、日本でも大人気なのかしらないが、この冬イギリスで大・大・大人気。イギリスは今大不況にもかかわらず、この製品だけはどこに行っても品切れなのだ。ネット上でも品切れで、唯一定価の1万円増し(かなりボッタクリ)で販売しているアマゾンだけが「在庫あり」の状態。イギリス人が「Fit=健康的であること」に興味があるとは思えないのだが、とにかく売り切れ。ネット上では、「Wii Fitの最新在庫情報を教えます」なるサイトまで登場↓
http://www.wiistockchecker.co.uk/
どこのストアがネット上で何台売り出したとか、そういう情報を随時掲載。なんでも、イギリス最大手のスーパー、テスコがネットで売り出したのは、約4分で完売だとか。とにかく異常事態。
ニコラのためにポールはWii Fitを買おうと、日夜ネット上で一瞬現れてはすぐに完売する情報に翻弄されていた。でも、ボッタクリのアマゾンからは買いたくないし・・・。でも、クリスマスはもうすぐそこに・・・。消費者心理を巧みに操った戦略だ。
一瞬現れたWii Fit在庫に気づき、慌てて購入手続きをするポール。しかし彼の願いもむなしく、手続きの最終段階で「在庫切れ」。彼の混乱振りが伝わる一枚。もういい加減あきらめなさいと言ってやりたい↓
結局定価の5千円増しで販売している店を見つけ、安心するポール。まさに「Wii Fit狂想曲」というにふさわしい道のりだった↓
私はポールにしかプレゼントを用意していなかったのだが、結局家族全員からプレゼントをもらってしまって、かなり肩身の狭い思いをした。「地味」と聞いていたから、プレゼントなんてカードぐらいだろうと思っていたのに、大好きなRicky Gervaisの本、冬用のスリッパ、アロマハンガー、マフラー、手袋、スキンケアセット(日本人の肌には合わないだろう)、チョコレート、フライパン(私はフライパンが小さいと不満を言っていたので)、お茶6種類、ドレッシングのセット、NASAの宇宙飛行士が食べるアイスなどなど、日用品からノベルティー・グッズまで、本当に色々だ。そして極めつけは、ポールからのハイビジョン・ビデオカメラ!
私が友達から(秘密のテープと共に)譲り受けたビデオカメラは、これまで約10ヶ月大活躍してくれたが(これが無ければ、ブライアンの映画は完成しなかったとさえ言える)、ズームの部分が半年前に壊れてしまったのだ。それに、ブライアンの砂だらけのテープを自分のカメラでバックアップするのは、すごく嫌だった。もしかして砂がカメラに紛れ込んで、自分の大事な撮影テープが裂けてしまうという事態だってありうるのだから! でもこれまで騙し騙し使い続けてきたのだ。それを知っていたポールが、カメラを買ってくれたのだけど、ハイビジョンだとは!!
最近知り合った、日本のTV局の人が「どんなプロダクションでも、絶対ハイビジョンで撮っておいたほうがいいよ」と何度となく言っていたので、(そうかぁ、次はハイビジョンか)などと漠然と思っていた。でも、買うのはまだ先と思っていたので、なおさらうれしい。
ちなみに、「ハイビジョン」は和製英語で、こちらでは「High Definition(ハイ・デフィニション)」と言わないと通じない。「ハイ・ビジョンって何だと思う?」とイギリス人に聞いたところ、「もしある人が、”彼はハイ・ビジョンだ”と言うとしたら、それは”向上心のある人”ってことかな? でも、ハイ・ビジョンと言う表現は聞いたことがない」とのこと。全然違うじゃないか! 使うときは要注意である。
「地味」な家のクリスマスでこれなんだから、盛大にやるイギリス人家庭のクリスマスは、相当すごいのだろう。これじゃクリスマス貧乏になる人が出ても不思議ではない。とにかくプレゼントあげまくり。でも、日本人もお正月は、親戚の子供にお年玉などあげたりして、オトナは痛い出費の季節だよねぇ。なかなかどこの国もお金は貯めさせない様にできているのだ、と一人納得。
ところで、今日大晦日は、昨年同様パーラメント・スクエアに年越しに行きます。天気予報はマイナス2度だって! 寒そう~~~! ちなみに路上で暮らすブライアンは、最近誰かからすごく温かそうな防寒着をもらいました。まるでかい巻きか、掛け布団のようなそれを着て、ビッグベンの前に立つブライアンの光景は、かなり面白いです。
ではでは、みなさま、良いお年をお迎えください!
来年もどうぞよろしくお願いします。
ゆみこ










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