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クリスマスをなめたらアカン

さて、今年も残すところあと1日となった。
こちらはクリスマス以降、人も街もホリデー状態だ。

トラファルガー・スクエアの巨大なツリー↓
Trafsq













首相官邸前にも豪華なツリーが↓
No10













去年ロンドンに住んでいた頃は、フラットメイトたちは皆外国人で独り者ばかりだったので
「クリスマス=伝統的な家族行事」とはまったく無縁だったが、今年はイギリス人家庭に居候しているので、イギリス家庭のクリスマスを垣間見ている。

ポールからは「うちのクリスマスは地味だよ」と聞いていた。私がイメージする、日本のお正月のような親戚同士が訪問しあったりするのは彼の家ではやらず、家族だけでお祝いするのだそうだ。
親戚同士が集まると、大抵最後は沢山お酒を飲んで口論になるのがオチなんだって。なんか、イギリスっぽい・・・。

”地味”と聞いていたけど、でもクリスマスが近づくにつれ、家のリビングにはクリスマスらしい飾り付けが日に日に増えて行った。

スタンダードなクリスマスツリー↓
(それにしてもこの家散らかりすぎ。余計なお世話だけど)
Deco5

























親戚や友人から送られてくるカード類は暖炉のそばに飾っていく↓
Deco4

























ちょっと変わった花瓶。不機嫌なおじさんの頭から花が・・・↓
Deco6

























途中までは良かったが、飾るものが不足しているのか、やがてよく分からないものまで飾られ始めた。なぜか金魚が空中からぶら下がっている!↓
Deco3














そしてちょうちんまで! これじゃ~クリスマスじゃなくて、ビヤガーデンだよ!おいっ!↓
Deco2

























哀愁漂うちょうちんは、リビングだけでは飽き足らず廊下まで浸食していった。もう暴走は誰にも止められない。↓
Deco1














私は普段お世話になっているお礼として、クリスマスプレゼントをポールの両親にあげたいと思ったが、人の好み(ましてや国も年代も違う人)は分からないので、無難に食事に連れて行くのがいいと考えた。

ポールの妹のニコラに、どこのレストランがお勧めか聞いたら、車で20分ぐらいのところに地元で人気のイギリス料理のレストランがあるという。”予約しないと平日でも無理”というそのレストランは、駅からずいぶん離れたところにあるのに、予約をしに訪れたら昼間から超満員。

Whitmore Armsウェブサイト
一階がパブで2階がレストランとなっている。クリスマス限定のランチとディナーがあった。
http://www.whitmorearms.co.uk/

イギリスと言えば、イコールまずい食事で間違いはないのだが、このレストランのような地元でずっと続いていて、チェーン店ではないような店は、ずいぶん美味しい。

店の概観↓
Witmore_outside














私たちが食べたのは、クリスマスランチのコース。一人約20ポンドで、前菜、メイン、デザートが選べる。メニューはこちら↓
http://www.whitmorearms.co.uk/christmaslunch.htm

前菜からこのボリューム↓
Zensai

























普段はビールを飲まないお父さんもこの日は乾杯!↓
Dennis

























私のメインディッシュはSlow Roasted Lamb Shank (served on cheesy mash with onion gravy)=直訳すると「ゆっくりローストした子羊のすね肉(チーズ風味のマッシュポテトにたまねぎのグレービーソースがけ)」だ。↓
Myfood














既に前菜の時点で結構おなかいっぱいなんだが・・・! でも美味しい!

全員で記念写真。店の人にシャッターを押してもらう(こういうことするのは日本人の私だけ。まあ、良しとする)↓
Whitmore














そしてデザートは、私はイギリスの伝統的なクリスマスデザートである、クリスマス・プディングに挑戦。実はクリスマスプディングは嫌い、と言うイギリス人は多い。日本でも、伝統料理やお菓子は、元は保存食という観点から作られたものが多いので、常食するとか、大好きと言う人は少ないだろう。それと同じだ。ブランデーなどが沢山用いられ、かなり味の濃いクリスマスプディングは、スーパーではこの時期沢山売られているものの、皆が心待ちにするものではないらしい。

ここのクリスマス・プディングはずいぶん小ぶりだったので食べれた。味は、”一度は試しで食べてみる”という感じ。↓
Xmaspudding














お母さんは、お父さんがトイレに行っている間に、お父さんのデザートを味見!↓
Viv1














よほどお父さんのが美味しかったのか、まだ横目で見てる!!↓
Viv2














みんな味とボリュームに満足して帰宅。私はこれで少しでも普段のお礼が出来たと一安心。クリスマスのプレゼントとしてご馳走したので、もうプレゼントに悩む必要は無い。やれやれ。

余談だが、最近カムデンに住む友達を訪ねたときに、オーガニックのナイスなカフェを発見。イギリスではオーガニックに関心がある人はあるので(ない人はまったくなく、かなり極端)、オーガニック食材や、ベジタリアン食材はどこでも手に入る。しかし、それは高額なお金を払えば、の話。バカ高い値段で野菜を食べる奴がいるか!と言いたくなるが、この店は、安価で、しかも美味しい! もし行く機会のある人は是非。

私が注文したのは、ラップサンドとフレッシュジュース。約1000円(それでもこちらでは安いほう)↓
Myvillage














My Villageウェブサイト
http://www.freshandorganic.co.uk/index.html
(店の住所以外の情報は全て工事中だし、サイトのデザインもなんかビミョー。しかし、店の雰囲気と味は太鼓判なので、ご安心を)

ポールのクリスマスプレゼントには、定期入れと、はだしのゲンのDVD(英語字幕版)をアマゾンで購入した。クリスマスプレゼントにはだしのゲン? と思う人もいるかもしれないが、私の映画の中で、ブライアンが「日本人の男の子で、ゲンを知ってる。勇敢な男の子。彼は私のヒーローだ」というシーンがあって、ゲンを知らないポールは、いつも「観たいなあ」と言っていたからだ。

そうして迎えたクリスマス。12時のランチは、今日はターキー(七面鳥)だ。丸1日かけてオーブンでローストしたもの。ターキーなんて、クリスマスと感謝祭、復活祭ぐらいしか食べないにもかかわらず、イギリス人家庭は、冷蔵庫やオーブンを購入するときに、「ターキーが冷蔵庫に入るか? ターキーが焼けるオーブンか?」ということに異常なこだわりを見せる。ポールの両親は、この秋に新しい冷蔵庫を買いに行ったのだが、わざわざ丸ごとのターキーを車に乗せて、お店に出向いたぐらいなんだから!

そのターキーのスライスに、蒸した野菜類(にんじん、じゃがいも、芽キャベツなど)、グリルしたじゃがいも、スタッフィングと呼ばれる詰め物のグリルが一人分づつ皿に盛られる。ターキー以外の内容は、普段の日曜日の昼食と変わらない。

面白いと思うのは、肉の種類によってソースが決まっていること。日本でも「秋刀魚には大根おろし!」とか、青魚なら何でもではなく、なぜかこれにはこれ、というような習慣があるでしょう? おでんには七味唐辛子ではなく、黄色の練りがらしとか。こちらもそうで、ビーフにはホースラディッシュ(西洋わさびと言われ、味もわさびに似ている。だが、わさびよりやや辛味は弱め。それにヨーグルトなどを混ぜてソースにする)、豚肉にはリンゴのジャム、そしてターキーにはクランベリーのソースがかけられるのだ。私にとってはなんでだろ? という感覚だが、イギリス人にはこれが黄金の組み合わせなのだ。

ご飯を食べ終わったあとは、プレゼントの交換タイムだ。ポールは、妹のニコラに任天堂のWii Fitを買っていた。これ、日本でも大人気なのかしらないが、この冬イギリスで大・大・大人気。イギリスは今大不況にもかかわらず、この製品だけはどこに行っても品切れなのだ。ネット上でも品切れで、唯一定価の1万円増し(かなりボッタクリ)で販売しているアマゾンだけが「在庫あり」の状態。イギリス人が「Fit=健康的であること」に興味があるとは思えないのだが、とにかく売り切れ。ネット上では、「Wii Fitの最新在庫情報を教えます」なるサイトまで登場↓

http://www.wiistockchecker.co.uk/

どこのストアがネット上で何台売り出したとか、そういう情報を随時掲載。なんでも、イギリス最大手のスーパー、テスコがネットで売り出したのは、約4分で完売だとか。とにかく異常事態。

ニコラのためにポールはWii Fitを買おうと、日夜ネット上で一瞬現れてはすぐに完売する情報に翻弄されていた。でも、ボッタクリのアマゾンからは買いたくないし・・・。でも、クリスマスはもうすぐそこに・・・。消費者心理を巧みに操った戦略だ。

一瞬現れたWii Fit在庫に気づき、慌てて購入手続きをするポール。しかし彼の願いもむなしく、手続きの最終段階で「在庫切れ」。彼の混乱振りが伝わる一枚。もういい加減あきらめなさいと言ってやりたい↓
Wiifit1














結局定価の5千円増しで販売している店を見つけ、安心するポール。まさに「Wii Fit狂想曲」というにふさわしい道のりだった↓
Wiifit2














私はポールにしかプレゼントを用意していなかったのだが、結局家族全員からプレゼントをもらってしまって、かなり肩身の狭い思いをした。「地味」と聞いていたから、プレゼントなんてカードぐらいだろうと思っていたのに、大好きなRicky Gervaisの本、冬用のスリッパ、アロマハンガー、マフラー、手袋、スキンケアセット(日本人の肌には合わないだろう)、チョコレート、フライパン(私はフライパンが小さいと不満を言っていたので)、お茶6種類、ドレッシングのセット、NASAの宇宙飛行士が食べるアイスなどなど、日用品からノベルティー・グッズまで、本当に色々だ。そして極めつけは、ポールからのハイビジョン・ビデオカメラ!

もらったプレゼントをベッドに広げた↓
Present














私が友達から(秘密のテープと共に)譲り受けたビデオカメラは、これまで約10ヶ月大活躍してくれたが(これが無ければ、ブライアンの映画は完成しなかったとさえ言える)、ズームの部分が半年前に壊れてしまったのだ。それに、ブライアンの砂だらけのテープを自分のカメラでバックアップするのは、すごく嫌だった。もしかして砂がカメラに紛れ込んで、自分の大事な撮影テープが裂けてしまうという事態だってありうるのだから! でもこれまで騙し騙し使い続けてきたのだ。それを知っていたポールが、カメラを買ってくれたのだけど、ハイビジョンだとは!!

最近知り合った、日本のTV局の人が「どんなプロダクションでも、絶対ハイビジョンで撮っておいたほうがいいよ」と何度となく言っていたので、(そうかぁ、次はハイビジョンか)などと漠然と思っていた。でも、買うのはまだ先と思っていたので、なおさらうれしい。

ちなみに、「ハイビジョン」は和製英語で、こちらでは「High Definition(ハイ・デフィニション)」と言わないと通じない。「ハイ・ビジョンって何だと思う?」とイギリス人に聞いたところ、「もしある人が、”彼はハイ・ビジョンだ”と言うとしたら、それは”向上心のある人”ってことかな? でも、ハイ・ビジョンと言う表現は聞いたことがない」とのこと。全然違うじゃないか! 使うときは要注意である。

「地味」な家のクリスマスでこれなんだから、盛大にやるイギリス人家庭のクリスマスは、相当すごいのだろう。これじゃクリスマス貧乏になる人が出ても不思議ではない。とにかくプレゼントあげまくり。でも、日本人もお正月は、親戚の子供にお年玉などあげたりして、オトナは痛い出費の季節だよねぇ。なかなかどこの国もお金は貯めさせない様にできているのだ、と一人納得。

ところで、今日大晦日は、昨年同様パーラメント・スクエアに年越しに行きます。天気予報はマイナス2度だって! 寒そう~~~! ちなみに路上で暮らすブライアンは、最近誰かからすごく温かそうな防寒着をもらいました。まるでかい巻きか、掛け布団のようなそれを着て、ビッグベンの前に立つブライアンの光景は、かなり面白いです。

ではでは、みなさま、良いお年をお迎えください!
来年もどうぞよろしくお願いします。

ゆみこ

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コミュニティーの良し悪し

昨日は、約1週間ぶりにまたパーラメント・スクエアに行った。今回は、数日前にブライアンから呼び出しがかかったからである。今週は、マリアが、アイルランドに行って不在で(彼女はイギリス生まれだが、両親はアイルランド人とスペイン人である)、さらに週2回来るバニーが家で電球を取り替える際にイスから落ちて骨折して来られないため、ものすごい人手不足である。なので、私はブライアンとバーバラが法廷に出かけている間のお留守番を頼まれたのだ。

私以外にも、サポーターはいるが、何かあったときのビデオ撮影として私が(わざわざ)エセックスから呼び出されたのである。この日の天気予報は、雪が降ってもおかしくないほど低く、心躍るロンドン外出では決してなかったのだが、最近ブライアンたちに対する警察の嫌がらせが際立ってひどいため、これは何かあってもおかしくない、と、私はビデオを充電し、カメラも持って出かけた。

これまで、国家的行事(国会の開催や、ロンドンマラソンなど)のイベント時ぐらいにしか、警察はテントの安全点検を行わなかったが、最近は2~3週間に一度。「爆発物がないかどうか」などといいながら、ブライアンの裁判関連の書類まで調べているのだ。ブライアンやバーバラが立ち会うと騒ぐため、ブライアンたちが出かけている隙に行われることが多い。以前、私が安全点検を撮影したときは、ブライアンが裁判でいなかったため、ブライアンのテントは、2人体制で、しかも10分以上捜索していた(たかだかたたみ1畳ほどのテントを、ですよ! これははるかに「爆発物の点検」の域を超えている)。

それ以外にも、先日、映像系の大学院生が、学校の課題でブライアンたちを撮影しにパーラメント・スクエアにやってきたとき、警察は彼らの撮影をやめさせたのである! パーラメント・スクエアでの撮影が”違法”なんだと! 私はこれまでに140時間以上撮影してきたし、観光客もいっぱい写真を撮ってるし、一体どんな法律に反すると言うのだ??? よくもそんな事がいえるものだ。学生たちはびっくりして、身分証明書の提示に応じていたのだけど、その間もブライアンはビデオでその様子を撮影。でも、警察はブライアンには何にも言わないの。でも、学生はダメ、だって! 賭博場でもあるまいし!!

警察によると、「パーラメント・スクエアで撮影するには、ウェストミンスター行政区の許可が必要」だとのこと。その一点張り。

しかし、NUJ(ジャーナリスト組合)が明らかにしているところによると、私たちはロンドンの公共の場所では、どこでも撮影が出来る。しかし一部の場所を、”コマーシャル目的で”撮影する場合には、ウェストミンスター行政区の許可が必要。つまり、ロンドン市が管理する公園などで商業映画の撮影やコマーシャルの製作などを行う場合は、場所によっては許可を取り、使用料を払うなどして、撮影する手続きが必要だということだ。

しかし、明らかに見た目も学生な彼らを相手に、しかも、彼らは大学からの証明書(授業の一環で撮影しており、商用ではない)を持っていたにもかかわらず、パーラメント・スクエアでバーバラにインタビューしているのをやめさせる、というのは、明らかな嫌がらせではないだろうか?

ちなみに現在イギリスの法務省は、「テロ対策」という名目で、警察や軍隊の撮影をさせない法律を作っているのだそう。なんと、警察の写真を撮ったら最高懲役10年なんだって!! 異常である。デモ活動で、警察のひどい暴力行為などの証拠写真を撮るジャーナリストたちは、みんな「テロリスト」にされてしまう可能性がある。うーーーん、これは絶対におかしい。

イギリスで数年前に製作された良質な映画で「Taking Liberties」という作品がある。これは、これまでイギリス市民が勝ち取ってきた市民の権利(表現の自由、公平な裁判をする権利、通信の秘密など)トニーブレア政権下でいかに奪われてしまったか、というドキュメンタリーだ。これを観ると、警察は昔も今も市民の自由を奪い、監視しようとしてきたが(それは警察の習性・本能なのかもしれないが)、「基本的人権」として、政治や市民によって守られていた。それが、この「対テロ戦争」のご時世に、「テロと戦う」ことを名目として、基本的人権を脅かす法律がどんどん作られ(なんと、テロ関連の法律はイギリスでイラク侵攻後3000以上も作られているんだって!)、警察が介入する口実を与えてしまっている、ということである。恐ろしいなぁ、ホントに!

話がだいぶそれたが、昨日パーラメント・スクエアに行って、ブライアンがうれしそうにある雑誌を見せた。「あんたこれ見たら喜ぶよ」って。何だろう? と思ってみると、日本の雑誌にブライアンが紹介されているではないか! しかも、表紙を飾っているし、4ページ・カラーで紹介されている!(ちなみにチャールズ皇太子は1ページ)。この雑誌は、イギリスに在住する日本人向けに配布されている、「ニュースダイジェスト」という雑誌なんだって(日本経済新聞社関連)。つい最近、ブライアンが「日本の雑誌からインタビューを受けたよ」って言ってたけど、すごく大きく取り扱われていて感激!

記事はインターネットで読むことが可能(ブライアンはp10~13)↓ぜひ
http://www.news-digest.co.uk/news/component/option,com_wrapper/Itemid,25/
(ここから、バックナンバーのvol.1175を選んでください)

読んでみて、ブライアンの長い歴史もちゃんと分かりやすく説明されているし、中には彼の知らない過去とかも紹介されていたりして、私はすごく興味深く読んだ。特に「日本人向けに」、「反戦活動とかかかわりのない人にもどこか共感できるような(記事は反戦活動よりも、彼自身の生い立ちのほうによりクローズアップしている)」つかみ方、などなど、なるほど~と感心した。いろんな人がブライアンを取材したり、記事を書いたり、映画を作ったら面白いと思う。すごく観てみたい。(希望者がいれば紹介します・・・このブログを読んでいる人は、ブライアンをビミョーって思っているかもしれませんが・・・)

そして、ブライアンの記事以外に私がカルチャーショックを受けたのは、その雑誌の内容や広告などである。今までにも、ロンドンの日本人向けフリーペーパー(例えば週刊ジャーニーとか)、こちらに来た最初の頃に数回読んだことがあったけど、きちんと読んだことはなかったので、日本料理レストランの広告、日本人向けの美容院、病院、歯医者、ベビーシッター(確かに、日本の幼児を英語しか出来ないイギリス人が世話する、というのは、預ける親にとっては不安だろう。揚げ物とか、ポテトチップスとか、変なものばかり食べさせるかもしれないし)、日本・イギリス間の専門引越し屋、日本人とのフラットシェア募集などなど、た~くさんの”在英日本人向けビジネス”がそこに集結しているのである。私はこちらに日本人の知り合いがほとんどいないし、普段会う人もイギリス・ヨーロッパ人が中心なので、こんなにも、ビジネスとして成り立つぐらい沢山の情報があるのだということにびっくり。

それらの情報は、大抵”日本人向け”ということで、通常のサービスに比べ割高なんだけど、これらの情報を必要とするのは、会社の後ろ盾があってやってくる、銀行とかの駐在員が中心なんだろうから、資金的に余裕があるのだろう。でも、私としては「日本人向けフラット。日本人学校のすぐ近く。月2700ポンド(約60万円!)~」とか言う広告をみると、せっかくその国に住んでいるんだったら、その国に溶け込みたい、その国を知りたいって自分だったら思うけどなあ、とか思う。まあ、受験戦争とか色々あるから、そうもいかないのかなあ・・・

言えることは、確かに”日本人コミュニティー”というのが、ここにも存在すると言うことだ。

コミュニティー。これに入ることは、共通の価値観を持つ友達やネットワークが出来て、すごく有益なことである。コミュニティーはなんにでも存在する。平和活動だってそうだし、人種(海外の日本人コミュや、中華街とか)、そして、県人会、大学のOB会なんかも、れっきとしたコミュニティーだ。ゲイコミュニティー然り。何かの価値観を軸に人が集まるのは、全部コミュニティーと言えるだろう。そこでは自分が知りたい情報が色々手に入る。しかし一方で、弊害もあるだろう。狭いコミュニティー価値観の中で、他の世界では通用しないことを、普通の常識だと思ってしまう、というような。コミュニティーに入ることもいいが、やはり、そこが外から見てどんな場所なのか、ということも知っておくことが重要ではないか、と思う。

なので、私にとってあまり縁のない「在英日本人コミュニティー」の一端を雑誌を通して垣間見れたことはとても面白い経験だった。

ちなみに「丸の内OL」というのも、ブランドであり、コミュニティーであると言える。こちらのコミュニティーの場合は、彼女らの発する情報が同世代の女子たちの消費動向を決定付けるかなり強力なコミュニティーである。私は以前「丸の内カフェ」イベントに、イベント内容に興味があったから参加して、その彼女たちに遭遇し、こちらもカルチャーショックを受けた。ここでは、「丸の内」をキーワードに、毎週、丸の内OLたちの心をくすぐる業界人たちを集めたイベントを開催しているのだ。例えば、東京と現代美術館のキュレーターやら、女性雑誌の編集長など、内面・外見ともに「勝ち組」(死語かもしれませんが)の女性(たまに男性)たちを読んでトークなどやるのである。

「丸の内カフェ」メールマガジンより直近のイベントを紹介↓

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湯山玲子『女装する女』刊行記念トークショー
    3人の女性誌編集者と語る、新オンナ事情」

現代女性を消費の面から10のキーワードで痛快に読み解く『女装する
女』を刊行した湯山玲子さん。読者のリアルな欲求や夢を日々、誌面
に反映させている敏腕女性誌編集者たちとともに女性の今をビビットに
語りつくします。女性自身も自覚していない、内なる欲望の数々・・・・・。
四人が語る様々な話題は、世間一般が了解している女性像を根本か
ら揺るがしてしまうかもしれません!
 
日程:12月17日(水)19:00~20:30(18:40受付開始)
場所:丸の内カフェ 2F
参加費:無料
ゲスト:高山裕美子(編集者/『マリ・クレール』誌)
    横山佐知(編集者/『アンアン』誌)
    軍地彩弓(編集長/『GLAMOUR(仮)』誌)
ホスト:湯山玲子(『女装する女』著者)

詳細・申込はコチラ↓
http://www.marunouchicafe.com/seminar/index.html#1217

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「女装する女」って、タイトルがまず強烈に惹き付けるよねえ! うまい!! この本読んでみたくなる。もし興味のある人がいたら、参加してみてください。メールマガジン購読も面白いのでおすすめです。

長々と書いて最後の閉めは女装・・・。

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クレジットは誰のため???

11月末までに編集を終わらせて翻訳を開始する!という目標を立て、それを前提に翻訳者にお願いをしていたので、先月末まではものすごい忙しさだった。11月の始めごろに「荒編集完了♪」と高らかに宣言したものの、それはあくまで”仮”編集で、それ以降、細かい部分の組み立てなおし、ナレーションの収録、音楽、エンディング・クレジットの作成などの作業が思ったより時間がかかり、最後の1週間は(本当に終わるのか???)とさえ思うほどのぎりぎりの状態だった。1週間近くお風呂にも入らず、ひたすら編集作業する自分の姿は、未婚の女性というより、”エクソシスト”に近いものがあったと思う。

結局、ぎりぎりの11月29日の明け方4時ごろに翻訳者用のDVDを完成させ、翌日に全てのスクリプトと参照資料を送付した。いざ参照資料を作る段階で、自分は自分が編集した素材の概要を理解してはいるけれども(でないと編集は出来ないが)、でも細部の言葉ひとつひとつは拾えていないのだ、ということがよくわかった。英語のダイアログの書き起こしはポールが担当していたので、出来上がったスクリプトを精読してみると、確認しなければならない事項が沢山出てきたのだ。特に、イギリスに行ったことのない翻訳者や、行ったことがあるとしても、生活したことのない、もしくは生活していたとしても、警察や訴訟関係のシステムまでは馴染みがないという人にとって(・・・というか、大多数の人はそうだと思うんだけど)、様々な専門用語の使い分けは難しいだろう。

例えば、No 10(ナンバー・テン)は、首相官邸を指すし、Downing Streetは首相官邸のある通り(これもNo 10同様、首相官邸を指す)のことだ。英語は繰り返しの単語を避けるため、同じ単語に対していくつもの言い回しがあり、それらの多くはイギリスでのみ使われ、アメリカ英語になじみのある人には理解できないものが多い。警察の職位なんかも、Commissioner, Superintendentなど、どちらも上級職だが、ではどっちが上なのか、辞書などではそれらの違いは分かりにくい。裁判の仕組みもそうだ。Crown Courtが刑事事件を担当する裁判所であるとか、それらの管轄が地域によってどのように分かれているのか、など。それら全て、翻訳には最終的に反映されなくても、やはり理解していることが重要だ。

更にブライアンをめぐる環境というのは、法律のグレーゾーンというか、はっきりと違法・合法が明らかになっているわけではなく、on-goingでその存在を警察や裁判所と争っている最中のものなので、かなり複雑なものになっている。ブライアンの抗議活動に制限を加えているのは警察だけだと思っていたら、ディスプレイの長さについては警察が、スピーカーの使用時間については(騒音関係から)ウェストミンスター行政区が条件を課しているわけだ(まるで日本のような縦割り行政である)。それで、スピーカーの使用時間違反で警察がバーバラに注意するときは「あなたはウェストミンスター行政区の条件違反ですよ」と言っている。ディスプレイの長さについてブライアンが話すときは「警察が課した条件は・・・」といっている。これらも、すごく細かいことだが、誰がどの条件を課しているのか、と言うことを理解していないと、(なんで??)となってしまう。まあ、セリフどおり訳せば問題ないが、やはり知っておいたほうが混乱がないだろう。

私は編集作業を開始する前に、全ての撮影ビデオを見返したとき、インタビュー中の私の理解度はかなり低かったのではないか、と思った。見返してみて、初めて知ったという事実が沢山あった。インタビュー中に自分が緊張しているということも関係するかもしれないが、会話はかなり相手のペースだし、私が相槌を打つまもなく、会話はどんどん進んでいっている。そして、不似合いなところで私の笑い声とかが入っていたりして、(まるで理解してないなー!)と、恥ずかしくて見ていられない状態のものもあった。彼らが何を話しているのか、警察とどんなことを言い合いしているのか、が、何度もビデオを見返すうちに理解できるようになり、そしてその場所を使おうと決めるわけだが、更に書き起こされたスクリプトを見て、やはり100%の理解(聞き取り)はできていないのだと思った。

単語だけではない。背景の説明も重要だ。例えば、ブライアンがパーラメント・スクエアで食事を作っている。彼は「朝食を食べに自分がここを離れたら、警察が誰もいないって襲ってくるんだ。だからゆっくりご飯も食べられないんだよ」と愚痴る。彼のセリフはこれだけだが、その背景には、ブライアンのディスプレイには、常に誰かが着いていないと遺棄物とみなされて、警察に没収されてしまうのだ。彼のセリフはこのような事情を踏まえた上で発言されている。・・・まあ、これらが限られた字数制限の中でどこまで反映できるのかは微妙だが、翻訳者が字数制限のために、情報をプライオリティーの高いもの順から取捨選択する上で、これらの背景事情を理解していることは大切だと思ったので、なるべく背景事情を説明することにした。

そして更にクレジットについても思ったことを書いておきたい。当初、私のプロジェクトは映画を作るうえでの最小プロダクションと考えていたから、クレジットは、ハリウッド映画のようなエンドレスのものではなく、かなり寂しいボリュームのものになるだろうと考えていた。ところが、出来上がってみると、結局沢山の人がかかわってくれて、エンディングの曲中に収めることが難しいくらいになってしまったのである! 翻訳者、楽曲提供者、写真提供者などなど、親しい人から、1度しか会ったことがないような人までが協力してくれているのだ。これにはものすごい感謝である。

エンディング曲には、広島で8月6日(原爆の日)に撮影した中高生のオーケストラの音楽を使わせてもらうことにした。普通のコンサート会場で録音したため、曲の途中に雑音やくしゃみ(!)などが入ってしまっていて、良好な状態で使える部分が約1分15秒しかない。それにすべてのクレジットを収めるのだから大変だ。

クレジットにはどんな情報を、どんな順序で、どのように表記するのか、も自己流ではなく、そのほかの映画一般の例に倣うべきだろうと考えて、自分が持っている劇映画、ドキュメンタリー映画のエンディングクレジットをいくつか観て参考にしながら、自分のクレジットを構成した。これはプロジェクトによってかなり異なると思うが、私の場合は・・・

ー登場人物
ー撮影、追加撮影
ースチール写真
ーナレーション
ー編集
ー音楽(ライセンスは誰が持つのかということも明記が必要である)
ー日本語字幕、英語字幕
ー題字
ースペシャル・サンクス
ー監督

とした。今回、映画を作ってみて、監督の役割と言うのは、企画、撮影や編集ももちろん大切だけれども、「人に何かをお願いすること」が仕事の半分近くを占めるのではないか、と思った。私一人では、音楽、翻訳など全てを担当することは技術的にも時間的にも不可能である。そして、他のプロフェッショナルな人々が作品を提供してくれることで、自分の作品がレベルアップすることが出来るのだ。

例えば、私はロンドンで、恐らく名実共に活躍している唯一のジャーナリスト・アクティビストであるリッキーとテリーから写真を提供してもらうことが出来た。私がブライアンたちを撮影し始めたのは2007年の5月なので、ブライアンのかつての40Mディスプレイを私は見たことがない。リッキーは、警察が深夜に78名でブライアンのディスプレイを奪いに来た時、その場に居合わせて写真・ビデオを撮った(これらの写真や映像はいまだにテレビ等で使われている)。彼は、それらのデータを持っていない私に提供してくれたのである。さらに、テリーからはブライアンやバーバラのクレジット写真をもらった。私もブライアンの写真はこれまでに沢山撮ったことがあるが、私は写真の技術とか勉強したことがないので(いや、ビデオもだけど)、ふつーに撮ったスナップ写真の域をこえず、ブライアンは「変なおじさん」感が拭えないのだが、テリーのフィルターを通すと、なんか神々しいオーラを発するような気さえするんだから、不思議である。

私はリッキーとは顔見知りで何度か話したことは会ったが、友人関係ではなかったので、当初自分の映画で彼の写真を使わせてもらおうとは考えてもいなかった。しかしポールが「リッキーに聞いてみたら? 前に彼は”アクティビストが映画を作るために自分の写真を使うんだったらいつでも歓迎”みたいなこと言ってたよ」と言ったので、リッキーのメールアドレスをインターネットで調べて連絡した。メールの中で私は自分がブライアンの映画を作っていることを説明し(これは彼も知っている)、その中で写真を使って良いかとたずねた。

その前にテリーに写真を使わせて欲しいとメールしたときは、「映画で写真を使わせて欲しい。もし使わせてもらえるとしたら、自主映画なのでお金は払えないが、でもクレジットに大きく名前を載せさせて欲しい。DVDが完成したらあげる」等、色々書いた。彼はOKしてくれたが、その後で自分は、なんだか、「クレジットに載せる」とか自分の作品で”箔”がつくような言い方をして、何かえらそうな感じがしたのと、使用の許可をもらう前からあれこれとお金のこととか、DVDのこととか長々と書くのはすごく一方的な感じがしたし、あたかも使わせてもらうことが当たり前的な印象をもたれるのではないかと危惧したので、リッキーには最小限のことだけ書いて送ったのだ。

翻訳やウェブサイトの製作とか、私の映画のために”これから”何かの作業をやってもらいたい場合には、その作業量を判断してもらうために、最初のメールから出来るだけ沢山の情報と予測しうる範囲の作業量、スケジュールなどを書いて知らせることが重要だ。しかし、すでに出来上がっている作品(写真や楽曲)などの場合には、とりあえず最小限のお願いだけを書いて、あとは本人がOKしてくれれば、それ以降のメールでクレジットの記載名やら、DVDなどのことを話せばいいのではないか? そう思うようになったからだ。

ところが、リッキーから来たメールには「使ってもらってもちろんOK。その代わり、自分のクレジットをいれてもらうのと、DVDをもらえる?」という返事が来て、私はものすごいショックを受けた。(私はやはり最初にクレジットとDVDの申し出をするべきだった)、と。彼から言わせてしまうなんて、ものすごく失礼ではないか、と。ものすごく後悔。

「クレジットを載せます」と最初から言うのが私は恥ずかしい感じがしたが、他の人たちに聞いたところ、「クレジットのことをいうのは重要。それは”あなたの作品を黙って使いませんよ”ということだから」とのことだった。もちろん私は黙って使うつもりなんてないが、アーティストにとって、自分がクレジットをきちんと扱う相手だと知らせることは、私が思っていた以上に重要なわけだ。これは気をつけないと、と思った。

ではDVDはどうか? これも、やはり「提供してもらう上で、私からお返しできるもの」という誠意を伝えるために、最初から言っておいたほうが良かったのではないかと思う。DVDについては、クレジットよりもその重要さは低まるかもしれないが、私のような、金銭的に人を雇っているプロジェクトではなく、周りの人の善意で協力してもらっているようなプロジェクトの場合はなおさらだろう。

うーーーん、うーーーん、と、リッキーとの一件から回復できずにいたら、「でも顔見知りなんだし、そんなに心配することないよ」と言われたのだけど、監督=人にお願いするのが重要な仕事、なわけだから、私にとって、いかに人にコンタクトを取るか、お願いするか、というのは、非常に重要で、これは永遠のテーマのように思う。メールの書き方、お願い仕方などは、その人との親しさ、その人がプロジェクトについてどこまで知っているかなどによっても異なってくると思うのだが、私としては失礼のないようにしたいのだ。

幸いにもその数日後、イベントでリッキーを見かけ、写真使用のお礼を直接伝えることが出来た。彼の写真はインターネットにアップされているものをダウンロードして使うことにしたのだが、彼はメールで「もっと解像度の高いものを送るよ」と言っていた。でも、インターネットにあるもので既に解像度はかなり高く、編集ソフト上でもまったく問題なかったので(私のそのほかの写真の解像度のほうがよっぽど低い)、私は「大丈夫」と返答していた。でも、リッキーはまた私に「本当に解像度の高いものじゃなくて大丈夫? 一番ベストな解像度のものが手に入るならそれを使うのがいいでしょう」と更にイベント会場で聞いてきた。その時に私は、良いものを使うということは、私の作品にとってのみ重要なのではなく、カメラマン・ジャーナリストを生業としている彼の信用(=クレジット)としても重要なのだ、と感じた。自分の提供した作品というのは、自分自身の作品の中だけでなく、他人の作品の中でさえも常にパーフェクト(もしくはよりパーフェクトに近づく努力をする)であることが重要なのだ。なので、解像度的には約10kbほどのアップで、ほとんど出来上がりに違いがないのだが、彼のプロフェッショナルのため、私は解像度の高いものを送ってもらうことにした。

クレジットは、作品を勝手に使わないというためだけでなく、自分のプロジェクトに関わってくれた人たちが、その後より良い仕事なり、活躍の場が提供できるような一助となるための、私が出来る唯一の手段である。なので、名前を載せるだけではなく、その人の作品が最高の状態で見られるように努めなければならないし、さらに、名前は見やすいように配慮するべきだ、と考えた。当初、クレジットは、なんとなくやわらかさを演出したくて(アクティビスト映画はマッチョなのが多いから、そういうのと同じにしたくなかった)、例えば手書き文字とか、飾り文字とか、色も可愛い感じにしようかと考えていたのだけど、クレジットは誰のためなのか、何のためなのか、ということを考え、更にその表示時間の短さ(くしゃみのせいだ~!)等考えると、はっきりと、見やすいのが一番、と考えてシンプルな書体を選んだ。

と、毎度ながら長々と書いてしまったが、無事翻訳依頼をし、今はDVD特典映像の編集と、楽曲使用の申請で著作権協会(JASRAC)などとやりとりをする日々である。楽曲使用についてはまた後日。

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