映画チラシは日本の文化?
日本で映画館に行くと必ず置いてあるもの。それは映画の宣伝チラシ。どんなに小さな映画館でもかなり大量に色んな映画のチラシが置いてある。そしてそれらは、A4が主流の今の環境で、かたくなにB5サイズをなぜか死守している。
私は映画の宣伝を考えたとき、必要なものはウェブサイトと宣伝チラシと考えた。インターネットの時代といわれるが、やはり紙媒体の威力は強力だ。無数にウェブサイトが存在する中から私の映画を偶然発見する人が、果たしてどれだけこの世の中に存在するだろうか? それよりも、私の映画だったら、単館の映画館で、ちょっと癖のあるような作品を好んで上映するような場所だったら、きっと興味を持ってくれる人がいるように思う。
そんなわけで、私はウェブサイト作りと同時進行でチラシも作っていた。チラシは映画のウェブサイト上に、4月4日上映会の案内のものが既にアップロードされているので、そちらを見て欲しい。
チラシ作りのために、私は日本からいくつかの映画のチラシを持ってきていた。劇映画には様々なバラエティーがあるが、ドキュメンタリー映画の場合はある程度の決まったパターンがある。それは新聞のようでさえある。チラシを研究して、これがチラシ作りの基本的なパターン、と思った要素を下記に挙げる。(まあ、独断ですが)
表面:カラー。インパクトのある写真またはイラスト、もしくは印象的な写真(ちょっと被写体とは距離を置いたような)。それにキャッチコピー(余り長くないもの)、映画のタイトルを大きく表示。そして隅っこのほうに監督名。これは○○監督作品、と表記するのが多いようだ。もしその監督が既に有名な作品をとっている場合は、肩書きのように作品名が名前のそばに置かれている。チラシの表面はまず「手にとってもらえること」を目指し、ごちゃごちゃと細かい情報を書かず、インパクト勝負のための情報のみ載せる、という感じ。
裏面:裏面は映画のあらすじなど文字情報がメインとなる。コスト削減のため裏面は単一色で構成されている。こちらには表面とはまた違うキャッチコピー(表面よりかは長めの字数でOK)、あとは有名人からの推薦コメントなどが上部に並ぶ。大抵中央部は2コラムに分かれていて、大きなコラムはあらすじ、小さなコラムには作品情報(クレジットなど)、ウェブサイトなどが掲載されている。あらすじは作品の複雑さによりボリュームは異なる。(余り馴染みのない作品設定や、外国を舞台にして社会状況を知ってないと面白くないようなものは、小さな文字でびっしりとあらすじと作品の背景などが書き連ねられている)。
そして裏面にも写真を載せる。今度は表面のようなインパクトを狙った写真ではなく、作品のイメージが伝わるようなものを、小さく何枚か載せる。人物と風景をそれぞれバランスよく。これはサイズがかなり小さくなってしまうので(しかもカラーではないし)、写真としては良くても小さくするとなんだかよく分からなくなってしまうような写真では使えない。何が映っているのかはっきり分かるような写真が必要だ。あらすじのボリュームによって、4枚から最高8枚ぐらいまでは使えるのではないか。
そして下部にはその時々の上映会情報が収められるスペースが設けられている。地図が入ることも考慮して、大体3~5センチくらいだろうか。それには上映会の日時、料金、場所、会場のURL、地図イラストデータ、そのほかの注意事項・お知らせ(予約制だとか、途中入場不可、とか、監督の挨拶あり、など)を入れる。
…もちろん作品によって違いはあるけれども、大体これらを網羅しておくことがチラシを作るうえで必要最低限となるだろう。
私はウェブサイト用に既にあらすじなどの原稿を書いていたので、チラシ作成はその縮小版というノリで、かなりスイスイと作成が進んだ。(1日で完成!)。でも、問題はあたしのチラシには誰からの推薦文もないということ。ま、有名な監督じゃないんだし、これまでの経歴もないのだから、一体誰が書いてくれるというのか! そして、私も無名ではあるが、それでも相手を選びたいという気持ちがある。有名人なら誰でもいいって訳じゃない。その人の活躍ぶりや言動で一目置け、さらに活躍している人というのが条件だ。(段々人気にかげりが出てきてちゃ、これからの私の映画も沈没してしまう)。だから、これは、例えば某都知事とかが、「書かせてくれ」とお願いしてきたところで(そんな事態はおきるはずもないが)、それはお断りするのである!
で、真っ先に思い浮かんだのが作家であり、プレカリアートの活動家でもある雨宮処凛(かりん)さん。私は直接面識がないにもかかわらず、仲介してくれた人にラブレターを託し、コメントの依頼をした。
そしたら! 今日昼過ぎに目が覚め、PCを立ち上げたら、コメント文が書かれたメールが届いたのである!! きゃーーーー!と興奮状態でメールを開封…
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「殺すな」。ブライアンのあまりにもまっとうな抗議の前で、権力はマヌケさを晒している。
映画を見終わって、パーラメント・スクエアに駆け付けたくなった。
雨宮処凛 作家・プレカリアート活動家
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こんな風に書いてもらえて、超うれしい!! これは、好意で書いてくれた雨宮さんの努力を無駄にさせないためにも、私はこれまで以上に上映会開催を頑張っていかねば、と思った。これから、この雨宮さんコメント入り新ヴァージョンでPDFを作り直すつもり。
ところで、最初に雨宮さんにコメントをお願いするときに、私は「1~3行ぐらいでお願いできますか?」と書いた。そうしたら、先方から「1~3行って、文字数にするとどれぐらいですか?」との問い合わせ。そりゃ~、フォントサイズや入れられる場所によって、1行なんて10文字にも30文字にもなってしまう! きちんとチラシを分析して”研究”したつもりが、やはり実務レベルでの詰めはまだまだなのである。
で、フォトショップ上で実際に文字を仮置きして字数を図った。そして雨宮さんの名前のほうのフォントサイズを大きくするように配置した。(そのほうが目に留まるから)。
私は自分が1行が何文字と言うのを指定し忘れた、というのをポールに話したら、逆に「何で制限するのか。書いてくれるというなら自由に書いてもらえばいいじゃないか。もし大量に書きすぎたら、残りはウェブサイトに載せたらよい」などとのたまう。「いや、違う。推薦文というのは、広告なんだから、短いほうがインパクトあるの! だらだらと長く書いたら、かえってダメなの!」といっても、イマイチ納得しない様子。なんで、相手に制限を加えるのか、書きたいならいくらでも書けばいいじゃないか…と思うらしい。日本人は文字制限のないコメント依頼を受けたら、かえって不安になってしまうかもしれないだろう。でも、イギリスでは映画のチラシというのは、映画館で見かけない。宣伝はTVなり、雑誌、看板などでの広告で、それらには、大手新聞のレビューの中から目立つ単語と評価の星の数だけとりあげることが多い。
例えば…
”息をのむほどの美しさ”
ガーディアン紙 ★★★★
”10年に一度の傑作”
タイムズ紙 ★★★★★
といった感じの文言が広告上に現れる、という形式。日本のようなB5サイズのチラシが作られることはなく、宣伝が撒かれるとしたらポストカードサイズのものを時々見かけるくらい。だから、ポールにとっては、あたしの1行の文字制限のやり取り自体が、珍しいことなのだ。
カラー印刷、今あれこれ値段を調べているんだけど(安いほうが良いです)、どこかおすすめの会社があったら情報教えてください♪


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