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当面の目標は・・・

これまでほとんど一人で映像製作をやってきた私。デモの撮影に行くにも、誰かと例えば一緒に行っても、現地に到着したら、私は「じゃ、また後で!」とさよならして、一人で撮影をする。一人のほうが、あっちこっち走り回ったり、壁によじ登ったり、歩道橋の上から撮影したり、デモが終わったあともしばらく撮影したり・・・と、とにかく他人を気にせず、自分が好きなだけ、好きなように撮影できるから、それが良いのだ。

もし撮影の腕前が良いという人が、私を手伝ってくれると申し出てくれたとしても、(この人、そろそろ休憩したいんじゃないかしら?)、(今、この発言とか表情をちゃんと撮ってくれたかしら?)とか、気になって仕方がないと思うのだ。

そんなわけで、私はとりあえず自分の映画を(出来は別として)、自分で作り上げた。

しかし、最近北海道の自主制作の監督さん(女性)と会う機会があった。某映画祭に申し込んだのだが、その映画祭のスタッフをしている方が、「自分も映像を作っている。東京方面に行く用事があるので、会わないか? 製作している人に会う機会はなかなかないから」と誘ってくれたのだ。

自主制作といっても、彼女の場合は、有名な監督さんがプロデューサーで、予算も1000万近くある。私とはだいぶ置かれている状況が違う。しかし、これでも映画界の中では、ずっと小さい規模だから、彼女の映画も私と同じ”自主制作映画”とくくられるのだ。

彼女の場合は、自分で撮影や編集もするけれども、基本は、撮影、編集、整音などは、それぞれのプロフェッショナルなスタッフが担当する。それはそれで、大変だったりもするのだけど、やはり他人との共同作業で切磋琢磨し、大激論もしたが作品を客観的にも見れて、よかったと話していた。

私はとりあえず自分の作品を完成した。しかし、その出来は、これで100%完璧とはまったく思っていない。でも、例えばそれは時間がなかったからとか、そういうレベルの話ではない。今のままで、編集を時間をかけてやり直したとしても、やはり自分は同じレベルのものしかできないと思うのだ。そして自分のレベルというのは、また違うテーマの作品を作ったとしても、この程度のレベルだと思うのだ。

一人が出来ること、思いつけること、というのは限りがある。私はもっと大きなことをやってみたいし、もっとレベルアップしたいと思う。そのためには、これまで避けてきた”他人との共同作業”にも挑戦してみるべきではないか? そう思い始めたのだ。自分が自立しつつも、他人の力も借りてみる。お互いの個性を活かしつつコラボする。・・・これが出来るようになったら理想だけど、でも、これってすごく難しそう・・・。でも、避けては通れない道だと感じている。

そんなわけで、たまたま新聞のお知らせで見た、「むさしの三鷹市民テレビ局」の「局員養成講座」というのに興味を持った。武蔵野・三鷹地域の市民ボランティアによるテレビ局(ケーブル)が、2000円というほぼ無料に近い金額で、GW中の3日間(連日10時~17時まで)、企画、撮影、編集などの講習をしてくれるのである。講師は成蹊大学でメディア授業などを担当されている先生。こんなの一般で受講したら何十万してもおかしくない。講座の受講後は、局員の仲間入りをして、番組制作などに携わったりするのだという。

私は、企画、撮影、編集をきちんと理論などで学んだことがないので、受講することにした。それに加えて、私にとっての魅力は、「仲間と共にものづくりをする」体験だった。こんな風に書くと、社会性も協調性もまるでない人のように聞こえるかもしれないが、自分は本当に”お一人さま”だったので、そんな事が出来るか自信がないのである。自分とは、やり方や考え方の違う人たちと共に、何かを作ってみる。これがどういうことなのかを、やってみたいのだ。一応、独学とはいえ、撮影も、編集もやったことがある自分は、他の人を見てイライラしてしまうことがあるかもしれないけど、一方で、自分では考えもつかないような構成や編集をする人を見て衝撃を受けるかもしれない。

ボランティアの局員だけで成り立っているので、活動も月2~3回と、負担もそんなにないから、”世間馴れ”していくには、ちょうど良いだろうと思っている。

そして、もうひとつ、私には他人との共同作業の試みがある。それは、もう明日に迫っているのだが、「世界各国のメーデーを生中継しよう」という企画があって、私はなんと、その東京の撮影を担当することになったのだ!!!

もちろん生中継なんて初体験。自分のビデオカメラをFireWireというケーブルでノートパソコンとつないで、E-mobileとかのインターネットを使って、生中継をするのだ。だから、撮影のときは”電車ごっこ”さながらに、私とPC持ち担当の人がケーブル(1.5mぐらい)でつながりながら、デモを歩いて撮影する・・・という感じ。

デモ隊が警察と衝突して現場が混乱しないと良いのだけど・・・。とりあえず私のビデオは新品だし、好意でMacノートとE-mobileを他人から借り受けて撮影するので、機材をしっかり守らなくちゃならない。昨日、デモの出発点となる阿佐ヶ谷の公園で、担当の人と練習したんだけど、やはり普段に比べて格段に歩きにくい。そして当日はぺぺ長谷川さん(まだお会いしたことないのだが・・・)をリポーターに、生中継!リポーターをお迎えするというのも、私にとっては初めての試みである。とにかく、やったことないことばかりなのだが、生中継って、超責任重大だよぉーーー!

とりあえず日本時間の18時ごろから中継やるので、もし見られる人は見てみてください♪生中継、やったことないけど、生中継は生中継なりの撮影の仕方とか、きっとあるんだろうな。その辺も楽しみではあるけれど。。。

というわけで、最近は「他人とのコラボ」を当面の目標にやっていくつもりです。

以下、告知文を転載します。

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各国からメーデー生中継!ソウルからは雨宮処凛がレポート!!
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各位

昨年の洞爺湖G8サミットで「G8メディアネットワーク」(※)として活動したこ
とをきっかけに、日韓の独立メディア活動家の交流が生まれ、アジア地域の独立系メディアのネットワークを目的とした「メディア・チャンポン」が発足しました。

現在、アジア各国の個人・団体に参加の呼びかけを行いながら、ファイル共有シ
ステム、翻訳字幕作成システム、生中継の動画配信システムなどを開発し、サイトの構築を行っています。


このたび5月1日(金)、各国でのメーデーイベント開催に合わせ、現在構築中の
ウェブサイト「メディア・チャンポン」内の特設ページにて、ソウル、東京、ミラノのデモ・
イベントの様子を生中継で配信いたします。

生中継は以下のURLよりご覧いただけます。
日本語
http://mediachampon.net/ja/node/58
韓国語
http://mediachampon.net/ko/node/90
英語
http://mediachampon.net/en/node/89

※サイト自体は只今構築中です。閲覧は自由にできますがβ版ですのでご了承く
ださい。

ウェブサイト正式オープンの際には改めて告知いたします。

一人でも多くの皆様にご覧いただければ幸いです。

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生中継詳細
===
◆韓国・ソウル/弘益大前でのパレード
5.1(金) 19:00~19:30(予定)
「働かない者たちのメーデー:あなたにとって仕事って何ですか?」
 ★リポーター:雨宮処凛

◆日本・東京/高円寺出発。阿佐ヶ谷へのサウンドデモ
5.1(金) 18:00~19:15(予定) 
阿佐ヶ谷メーデー[A-MayDay] 「毎日がゴールデン★言いっぱなしメーデー~貧乏
人は増殖/連結する~」
 ★リポーター:ペペ長谷川

◆イタリア・ミラノ/ユーロメーデー・ミラノ(予定)
5.1(金) 22:00~(予定)


(※)「G8メディネットワーク」とは
昨年の洞爺湖G8サミット期間前後、札幌市内に独立系メディアをサポートする「
市民メディアセンター」の設置、ファイル共有サイトを構築、動画やテキストなどの配信を行い、G8サミットに対する多様な活動の存在を世界へ発信した。独立メディア活動や研究をする個人・グループによって構成。現在、活動報告集を編集・出版準備中。
http://g8medianetwork.org/

「メディア・チャンポン」とは
「Champon」はアジアから全世界に情報発信するオンライン・メディアであり、ア
ジア各地の活動家たちが手を結んだ「Asian Media Activist Network」によって運営されています。インディペンデントなメディア・アクティビストたちが、アジア全体に共通する社会問題をグローバルな視点から取り上げていくとともに、アジア各地域の固有な事象を個々人の視点からも取り上げ、多種多様なコンテンツを共有し発信できる開かれたサイトをめざしています。共有サイトを構築し運営することを通じて、アジア地域における相互理解と
交流を深め、新しい共同的な創造活動の展開を志向しています。
詳細は以下のURLでご覧いただけます。
http://mediachampon.net/ja/node/20

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自主製作を逆手に!

前にブログで、「映画は作りやすくなったが、インターネット以外で上映できる機会のなんと少ないことか」と嘆いた。自主制作であるということは、製作時の後ろ盾がないだけでなく、上映時(配給)の後ろ盾もない、ということである。

映画館でのいわゆる”ロードショー”上映について(1週間とか2週間映画館を借り切って自分の映画を上映)、友人に聞いたのだが、大体相場では200万円ぐらいかかるのだそうだ。モーニングショーなど、人の入らない時間帯で、たまたま劇場側がめぼしい作品がない時期だと、お金を払わなくて良い代わりに、どれだけ入場者が入ってもそのバックはなし、というような条件で上映できたりするのだそう。まあ、持ち出しがない分だけ良いが、自分だったら、(朝の10時に誰が映画観にいくの?)って思ってしまう。

配給会社がつかない分、例えば自分の裁量で、上映料を決めたり、タイアップ企画などをかなり柔軟にできるという利点があるが、でも、そんな相手側からやってきてくれることなんて、滅多にないのだから、今の私はそこまで利点を享受できているかと言うと、それはノーである。

しかし、自主映画だからこそ、普通の映画館では上映できないからこそ、工夫にとんだ小規模上映会を催すことだって出来る。5月16日(土)の上映会は、まさにその試みで生まれた企画と言ってよい。

私は生まれが八王子なので、私が小さな頃から(20年以上前から)、高尾山を貫通する道路、圏央道(けんおうどう)の反対活動があることを知っていた。でも、個人的には活動している人たちがどんな人なのかは知らなかった。

それが、昨夏洞爺湖のG8サミット反対活動に参加したときに、高尾山の自然を守る会の人たちが珍ドンやの格好をしてデモに参加しているのを発見したのだ。高尾山のトレードマークである「天狗」もいた! 彼らが「虔十(けんじゅう)の会」と言う名前であることを知り、リーフレットをもらった。それで東京に戻った後早速彼らのホームページを見て、活動のために木の上に小屋(ツリーハウス)を建てたと知った。

で、今回映画を完成させて日本に戻ってきたときに、私は初めて彼らに連絡を取り、「ツリーハウスで上映とか出来ないですか?」と聞いてみた。代表の坂田さんは、私の映画にも興味を持ってくれて「日本で、なぜエコとピースが交差しないのかなとずっと疑問に思っていた。高尾山の小さな命を命とも思わないような心が、他の国の人を殺しても構わない、となってしまうと思うのに・・・」と言って、「ぜひ上映会やりましょう!」と言ってくれた。

これまで映画の上映会と言えば、自主映画とはいえ上映料が10万円近くする映画も少なくないので、大人数で観るため近くのキャンプ場で行ってきたそうだ。しかし今回は小規模上映会として、彼らにとっても初めての「ツリーハウスでの上映」をしてくれることになった。私にとっても、彼らにとっても初めての試み。しかも、私は自分からお願いしたにもかかわらず、ツリーハウスに行ったことがない。何しろ「ツリーハウス」という言葉の響きだけで既に萌えてしまっているのだ。

ウェブサイトの写真で観る限り、それは私の頭の中で妄想する「木の上にちょこんと乗ったかわいいお家」なのだが、40人収容できるらしい・・・! ツリーハウスの前には、小さな橋がかけられていて、それを渡るみたい・・・! と何しろ好奇心いっぱいのツリーハウスなのである。

事前予約制で先着40名までなので、もし興味のある方は予約してください。
以下、主催者の坂田さんよりイベント告知文章です。
(・・・ブログ記事二つ続けて映画の告知宣伝でゴメンナサイ。でも、この上映会、きっとかなり楽しいものになることは間違いナシです。しかもご飯付きだし。初夏の高尾山を楽しみましょう~♪)

【エコ&ピースちゃんぷるシリーズ@高尾ツリーダム 5月16日(土)】
  「ブライアンと仲間たち ―パーラメント・スクエアSW1―」上映会

ロンドンの国会議事堂前に、イラク戦争に反対し平和を訴えながら、
7年以上座り込みを続けるブライアン・ホウという味のあるオジサンがいます。
この映画は、早川由美子監督が、一年半彼らを追い続けたドキュメンタリー。

7年間、家に帰らず、一日も休まずのデモンストレーションって考えられます?
イギリス政府は、何とか彼を追い出そうとあの手、この手。何十回も逮捕されながらもブライアンとその仲間は、今日にいたるまで「子どもたちを殺すな!」と座り込みを続けています。

彼らのアクションは、注目を浴び、ブライアンは、イギリスのTVチャンネル4の視聴者投票で「政治的に最もインスパイアされる人物」に選ばれています。
もし日本社会で、ブライアンのような人がいたら、どんなふうに評されるんだろう…

高尾山でも「和居和居デッキ」で10ヶ月にわたり座り込みが行われ、最後は行政代執行により強制的に立ち退かされました。

座り込みをしているときに、シンガーソングライターで環境活動家でもあるアンニャ・ライトさんが来てくれたことがあります。
彼女曰く、「なんでバリケードを作らないの?」
わたしが「日本でそんなことすると、みんな引いちゃって来てくれませんよぉ」と言うと
彼女は、まったく理解できないと首を振りながら
「なぜ?オーストラリアでは母親たちが、バリケード封鎖して森を開発から守ったわよ。バリケードはとってもピースで素敵なのに。」

市民のアクションで自然や平和を守るのに、もっとも有効な方法はどんなやり方なんだろう…
ブライアンたちを見ていると、日本だったら?自分たちだったら?
という疑問が次々と湧いてきます。

環境問題でも平和問題でも、悩みは同じ。
この映画を見て、あなたがブライアンたちをどう感じるのか、イギリスと日本は、何がどう違うのか、違わないのかじっくり考えてみたいな。

【日時】   5月16日(土)17:30~20:30
         ※雨天延期:日程は後日お知らせします

【場所】   高尾ツリーダム
JR・京王線高尾駅北口下車、小仏行きバスに乗り、「日影バス停」下車。
バスの進行方向へ徒歩2分、天狗の看板から右手上方にツリーハウスが見えます。

※バスは、16時以降は各時12分発、一本しかありませんので乗り遅れないようにご注意ください。タクシーの場合は、「日影沢林道入口まで」と伝えてください。1300円ぐらいかかります。

※駐車場ありますが、あまり台数はとめられません。車で来られる方は、スタッフの指示にしたがって駐車してください。

【タイムスケジュール】
17:30~18:00   TALK「エコとピース、どっちも命がテーマ」   坂田昌子(虔十の会代表)
18:00~19:30   映画上映
19:30~20:30   TALK「監督に聞いてみるのが一番!」  早川由美子監督×坂田昌子

【参加費】  1000円(お食事つき)

【参加方法】  要予約、先着40名
Eメール  kenju_treedom@yahoo.co.jp
Fax 042-689-6950
のどちらかに、氏名・連絡先(当日連絡がとれるもの)・参加人数をお知らせください。

【その他】    
※雨天の場合は延期します。当日に12時にホームページ上で、新たな日程をお知らせします。
※ご予約の方には、こちらからメールなどでお知らせします。
※高尾駅までの最終バスの時刻は、20時43分ですので間に合わない場合は、駅まで送迎します。

虔十の会ホームページ
http://homepage2.nifty.com/kenju/

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ネタ帖なるもの

4月12日の上映会で、初めて「監督トーク」なるものをした私。会場が市民メディアセンターと言うこともあって、お客さんは何かしらメディアなり、市民活動なりをしている方たちだった。

約1時間のトークでは、私個人の話もしたが、やはり映画の中で書ききれていないイギリス社会、政治、国民性などについての質問も多かった。事前に想定してはいたけれど、私の話すことを熱心にノートに書きとめる人もかなりいたので、”事実を正しく述べる”ことは、このブログ以上に必要なことだと、改めて自分に言い聞かせた。

ブログも書くときもそうだけど、一応自分が見聞きした噂を、ネットなり新聞でも読んで、事実確認を取る。取れないときも多々あるが、その場合は「これはもっぱらの噂だが」ということを強調する。

で、トークのときと言うのは、いわば生中継なわけだから、ブログのように時間をかけて調べながらとか、あとでちょっと修正したりということが出来ない。でも、やはりイギリスに実際住んでいた人間として、色々伝えたいこともある。それで、私はノートに正式な法律の名前や、事件の起こった年、各種の数字、特筆すべきデモの主催者発表参加者の数字などを記入することにした。こうすることで、私はこれらの事実を正確に伝えることが出来るし、それに、そのノートをパラパラとめくることは、トークのときに伝えておきたいことを覚えておくいわばネタ帖でもあるといえる。

今週の金曜日は、ネイキッドロフトでトークがあり、それはアクティビストとして、実践&学問の両方で活躍されている二人が私の相手だ。私にとっては、願ってもない豪華なトークゲストだが、彼らと比べても遜色ないトークを私がある程度は出来るようにしないと、バランスが悪い。かなりプレッシャーではあるが、でも、硬軟織り交ぜた感じで望みたいなと思う。

もし来れる方はぜひ↓
4月24日(金)新宿ネイキッドロフト
開場18:30、映画スタート19:30
上映のあとは、成田圭祐さんとイルコモンズさんとのトーク
入場料1,000円(要ワンドリンクオーダー)

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ブライアンの”先輩”と日本の”ブライアン”たち

火曜日は、渋谷のアップリンクに田保寿一(じゅいち)さんの「冬の兵士」を観にいった。これは、イラク・アフガニスタンに派兵された元アメリカ兵士たちが、現地でどんなことが行われていたか、除隊した今自分たちがどんな状況になっているのかを告発する集会を開いたものを撮影したドキュメンタリー映画だ。

元兵士たちによると、交戦規定(軍人が戦うルールとなるもの)は、”下着を変えるより頻繁に変わった”といい、止まれと言っても減速しない車、荷物を運ぶ人なら何でも、更には夜出歩いている人は全て射撃してよい、というようにエスカレートしていったそうだ。

人を殺したというショックから、除隊後はPTSDに悩まされ、アル中になったり、自殺を図ろうとする元兵士たち。イギリスでも、「ホームレス人口の3分の1は、元兵士」と聞いた事がある。

これらの事実は、衝撃ではあるが、でも、戦争とはそういうもの、というのが私の中にあるので、(なんでそれを知っていて、軍隊に入るのだろうか?)と思っていた。「貧困徴兵制」なる言葉が出てきて、働いても働いても貧乏な人たちが、軍の勧誘者に「軍隊に入れば大学に行ける」などと耳元でささやかれて入隊する・・・これは聞いた事があるが、でもこの「冬の兵士」の元軍人たちはそういう人たちではないというのが、私にとってこの映画を見た一番の衝撃だった。

「911のテロのニュースを聞いたとき、自分は働いていたピザ屋で”全てのアフラブ人を殺す!”と立ち上がり、軍隊に入隊した。自分はメディアに騙された」、とか、「アメリカを愛しているから、この国を救いたいと正義に燃えて、軍隊に入った。今でもアメリカを愛しているので、この間違った戦争をして欲しくないと私は訴えているのだ」・・・とか。

聞いてみて感じるのは、アメリカというのは、戦争賛成の人であれ、戦争反対の人であれ、それらを支えるのは”愛国心”と”正義感”なんだな、と思った。これは他の国とは大きく違うところだ。危険だなと思うのは、余りにも愛国心と正義感を強く持ちすぎて、容易にメディア操作なり、洗脳されてしまうのではないかということだ。だから、この元兵士たちは、もしかしたら、今後も”正義に反した行為”というものが、世界のどこかで行われていたとしたら、やはりまた立ち上がってしまうだろうと思ったし、アメリカがどこかの国から攻められたら、攻め返さずにはいられない・・・そんな印象を受けたのだ。

だから、映画を見終わった後の交流会で、私は監督である田保さんに声をかけ、「日本や他の国の反戦活動とは、ずいぶん根底の感情が違うんだなと思いました。この人たち、もしかしてまた戦争しちゃうんじゃないかと自分は思います」と感想を伝えたのだ。

なんていうのか、私はこの映画は反戦映画ではあるけれど、私はこの元兵士たちに共感する・感情移入するのがとても難しかったのだ。日本人だったら、いくらメディア操作されたとはいえ、「よし、アラブ人を全員殺す!」なんて立ち上がって軍隊に入る人が、どれだけいるだろうか? 彼は、自分の人殺しは全てメディアに洗脳されたせい、として自分自身を責めるところはない様子だったのだけど、私としては、例えばマックのハンバーガーを食べ過ぎて超肥満になり、それでマクドナルドを訴えた裁判がアメリカであったように、「確かに健康に悪いし、太る商品をマックは売ってはいるけれど、立てなくなるぐらいまで食べて太りすぎるあなたもどうなの? なんでもっと早く前に気がつかなかったの?」と、その行き過ぎ加減に、共感するのは難しい・・・という状態に似ているといっていい。

なので、私は”反戦”といっても、その根底にある感情は様々で、でもそれらの違う人々が”反戦”というひとつの目標に向かっていかなくてはならない、ものすごく大変なことだ・・・と改めて実感して、この映画はそのアメリカでの反戦活動の一例を示すものとして、すごく貴重なものだ、と思ったのである。(元兵士たちによる反戦活動だから、より愛国心的なものが強いというのもあるだろう。でも、私はオバマなんかの演説を聞いていても、やたら”アメリカ”を強調するので、ブッシュとどう違うのか?!って思ってしまうほうなのだ。まあ、あれよりはましかもしれないけど)

田保さんは、日本とアメリカでの反戦活動の違いというか、戦争自体に対する考え方の違い、そしてそれに伴う報道機関の違いなど、とても丁寧に教えてくれた。田保さんは、クウェートで発見された油まみれの水鳥の報道で有名な人である。当初、世界中のメディアはアメリカ軍の発表を受け、重油はイラク軍が流したと報道していたが、実際はアメリカ軍の攻撃により製油施設が破壊されたということを見抜き、それを世界に先駆けて報道した人だ。そのときの各国の取材体制の違いなども、聞いていてとても面白かった。

やがて話題がブライアンのことになり、田保さんは「アメリカで同じような事している女性を、冬の兵士の撮影のときにビデオにとったよ」といった。そう、アメリカでもブライアンと同じようにホワイトハウスの前で生活しながら、抗議活動をしている女性がいるのだ! 私は、噂にだけ聞いていたけれど、でも一体どんな状態で、いつから、今でも?など、知らない事だらけだったので、「その映像すごく観たい!」といったら、後日田保さんが未編集のDVDを送ってくれたのである!!

映像を観て、その女性は、パーラメント・スクエアのマリアのようだな、と思った。反戦への思いが熱くて、一見さんでも優しく出迎え、歓迎してくれる人。もう70歳ぐらいだけど、精神力はものすごく強そうだ、というのが、映像から分かる。なんと、彼女はブライアンよりもずっと先輩で、28年ぐらいホワイトハウス前に住んでいる。しかも、こちらのほうが条件は過酷で、セキュリティーの関係上、テントと寝袋はダメ。なので、立て看板に寄りかかって仮眠を取るだけ。28年間1日も休まず、一度も家に帰ったことがない。しかも、彼女の場合、一緒に寝泊りするサポーターはおらず、一人である・・・。

私はすっかりびっくりしてしまった。彼女が田保さんに渡した彼女の日本語インタビュー記事(The Yomiuri America)のコピーを同封してもらっていたので、参考までにその全文を以下に掲載する。1991年のものなので、それ自体だいぶ前だ。

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1991年9月13日 The Yomiuri America、文:堀田 佳男
「ホワイトハウスの裏庭」

ホワイトハウス正面、ラファイエット公園内に24時間、年中無休で反核運動をしている女性がいる。立て看板を2枚掲げ、日差しの強い真夏日も、厳冬の雪の日もホワイトハウスを見据えて運動を展開。今年でちょうど10年目を迎えた。

コンセプション・ピシオットさん(47)。スペイン、ガリシア出身。29年前にアメリカに移住。ニューヨーク福祉財団、国連、スペイン領事館などを経て、79年よりワシントンで政治活動を開始。

アメリカの軍備増強を真に憂慮し、自ら連邦議員に会い、ロビー活動に身を染めた。しかしワシントンの街は、彼女に一人の人間がやれる政治活動の限界を与えた。「大統領に直接訴えるしかない」と思い立ったのは81年。家財道具一切を売り払い、立て看板を作り、果敢な直接行動に出た。

それ以来10年、ホワイトハウス前の公園が自分の家であり庭になった。

「米ソ間の緊張が緩和されても核兵器が廃絶されたわけではない。むしろ第3世界では核保有国が増える傾向にある」

核兵器廃絶という彼女の初志は、東西緊張緩和やSTART(戦略核兵器削減交渉)の調印といった世界情勢の中でも少しも変わらない。一部には「時代錯誤だ」とさげすむ声もあるが、人間の本性に根ざした理想論をあえて掲げる。

立て看板には広島や長崎の原爆被爆者の写真が張ってある。ホワイトハウス目当ての観光バスが彼女の目と鼻の先で停車するので、世界中の観光者が立て看板を目にし、彼女と言葉を交わしていく。

「世界中へ反核を訴えたいと思っていたんです。ここに居ればそれが実現できる。私が出かけてゆかなくとも、世界が回ってきてくれる」

ホワイトハウス前の”反核おばさん”は、世界中のマスメディアに取り上げられもした。先月も彼女のニュースを耳にした反核運動のリーダーが、わざわざオランダから会いにやってきた。また、スペインのテレビ局は、彼女のドキュメンタリー番組を制作したほどだ。

「ブッシュ大統領は、ホワイトハウスの窓から覗いていて、この立て看板にもう慣れているかもしれない。でも少しでも多くの人に、核兵器廃絶の必要性を説くことが私の役目」

80年代中ごろから下火になった草の根運動としての反核思想を、現在でも毅然として貫く。その志は高貴ですらあるが、生活の苦労は多い。

食事は近くのベーカリーから残飯をもらったり、彼女の支援者からの差し入れに頼るだけ。収入はゼロ。パーク・ポリスの規制で、テントや寝袋は持てず、夜は立て看板に背を持たれかけて休むだけだ。睡眠も十分に取れない。雪の降る厳寒の夜など、厚手のコート1枚で夜通し雪かきということもある。それでも過去10年間、病気ひとつしないという。

「ベッドの感触なんて、もう覚えていない」

こうつぶやく彼女の表情は意外にも明るい。日に焼けた顔をほころばせながら、彼女は「究極的な正義(ジャスティス)がほしいだけ」と言って、ホワイトハウスに目をやった。

「核兵器がこの地球上から廃絶されるまで続けるつもり。私はここで死んでも構わない」

ひたむきなピシオットさん、時代はどういう審判を下すのだろうか。

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以上である。きっと私が知らないだけで、世界中でこのような活動はあるのだろう。日本に帰ってから、私は沖縄の米軍基地反対活動で、ブライアンと同じく2001年より米軍基地の新たな移転先の候補となっている辺野古で、年中無休の座り込みをしている人たちの存在を知った。写真で見ただけなのだが、日よけの帽子に首にはタオルをぶら下げて、めちゃめちゃ暑そうだ。寒さに絶えるのも辛いが、この沖縄の暑さ(私は西表島に住んでいたことがあるので、体験済み)、冗談抜きで熱射病になってしまう。同様に、米軍のヘリパッドの建設予定地の候補にされている高江でも、年中無休の座り込みが続くという。

私はこのような粘り強い抗議活動をしているということに感激し、(こういう人たちにこそ自分の映画を見て欲しい!)と思って、ウェブサイトから連絡をした。今日、高江の人たちは、内輪で映画を見てくれるという。どんな感想がもらえるだろうか? 楽しみである。

日本にも、世界中にもいる”ブライアン”たち。将来、彼らを訪ねて回りたいな!

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作りやすくはなったけれど・・・

最近、このブログの更新をしていなかった。というのも、今は映画のウェブサイトがあり、そのウェブサイトの中にTwitterというミニミニブログと、上映会報告用のブログまで内蔵されているので、それらの更新をやるだけであっという間に時間が過ぎてしまい、このブログを更新しないままでいるからだ。

大小合わせて3つのブログを、私は持っていることになる。それらの位置づけを自分なりに分析してみると、このブログ(留学当初からのもの)の役割は、私という素人が、映画を作ろうと思い立ってから、その製作過程、宣伝、上映会などをしていく経過を書くことによって、映画作りが思ったより簡単、もしくは思ったより大変だとか、それをどう工夫していくのか、どんなアイデアがあるのか、などを紹介することかな、と思ったりする。あと、映画だけでなく(もともと映画作りのためにこのブログをはじめたわけではないし)、日々の雑感なども交えて、自分が思うことを書けていけたらよいと思っている。

それに対し、ほとんど更新していないTwitterブログは置いておいて、上映会報告ブログ(今後それ以外の機能も持たせるかもしれない)のほうは、やや大人しめに、上映会の報告と、自分の感想を書いたらよいと思っている。あくまでも、表向きのものとして。

自分としては、この留学生ブログを映画のウェブサイトにリンクさせるつもりは、今のところない。というのも、パーラメント・スクエアのことや、自分のことについて、良くも悪くも色々書きすぎてしまっているからだ。だから、私を知っている人、映画を既に見た人は別として、全く知らない人は、パーラメント・スクエアと私の映画について、かえって混乱させてしまうのではないか? と考えるのだ。

そのため、私としては、(理想は)この留学生ブログと上映会報告ブログを使い分け、両方をアップデートしていけるようにしたいと考えている。

前回はウェブサイトとチラシの必要性を書いた。それでもまだ宣伝として受身であるので、私はそれらに加えて、自分からメールを出したり、イベントでチラシを撒きにいったりしている。

上映会のお願いや、宣伝協力(メーリングリストで情報を流してもらうとか)のメールを出すにあたり、まず私は平和活動団体(これが、大小ほんとに沢山存在するのだ!)のウェブサイトを検索した。検索カテゴリーは、考えようによっては色々あるだろう。「反戦」、「9条」、「核兵器」、「イラク」、「パレスチナ」のような言葉もあるし、「YWCA」、「ピースボート」のような団体も、興味を持ってくれるかもしれない。環境系の団体もありだし、「アースデイ」のような大きなイベントも効果がありそうだ。「労働組合」なんかも、それぞれの団体によってかなりカラーが違いそうだが、数の力としては大きい。

ロンドンでジャーナリズムの学校に通っていたときに、「情報収集」という講義が2時間ほどあって、このインターネット時代に、如何に”検索ワード”が大切かの授業があった。「○○の特集記事を書きたいとき、まずインターネットで検索するとしたら、あなたはどんなキーワードを入れる?」と先生が皆に聞き、それぞれが答えた。余りにも情報がインターネット上に氾濫する現代社会では、的確なキーワードで検索するというのが、重要になってくるわけだ。

それと同様、私の”アプローチ先探し”も、検索キーワードを工夫しながら行っている。これ、と思うアプローチ先を見つけたら、今度はそのウェブサイトから連絡先を探す。大抵”コンタクト”としてメールアドレスが載っているところが多数だが、中には住所と電話だけだったり、管理者宛にメールを送って、それが当事者へ転送されるようなものもある。

私が送るメールは、大まかな雛形があるのだが、送る団体の活動内容や規模によって、その内容を若干カスタマイズしている。たとえば、団体の規模からいって上映会をお願いするのは、彼らにとって負担が大きすぎるだろうと思えば、MLなどで告知してくださいとだけ書いたり、その団体がなぜ私の映画と繋がれそうなのか(無理やりだが)という理由を書いて、だからこういう理由で私は上映会をお願いしたいと思った、というように書いたり(←これは、特に反戦系以外の団体にアプローチするときは必要となる)。

ゆえに、大体の書式は、まず①挨拶と私&映画の自己紹介を簡単に、②上映会もしくは情報掲載のお願い、③参考資料(ウェブサイトのアドレスと、簡単なあらすじ、宣伝用チラシのPDFダウンロードURL)の3点セットとなっている。

そして、あとは相手の反応を待つ。実際、上映会をやってくれるとなった場合は、開催の日時や規模、入場料などの取り決めをして、決まったら、上映会情報をウェブサイトにアップ、上映会チラシのPDFを製作&ウェブにアップ、来てくれそうな人や掲示板などにメールをする。個人情報の掲載を避けて、メールの内容を「転載歓迎」と書いておけば、今はいろんな人がミクシイやブログをやっているのだから、好意で載せてくれることもあるだろう。しかも、ミクシイやブログでの宣伝だったら、お互いにタダだし、お願いするにもお願いしやすい。

上映会の日は忘れずに会場の写真やビデオを取り、それを後日上映会報告ブログにアップ(一応バイリンガルサイトなので日本語と英語で)、来てくれた人や名刺を交換した人にお礼のメール、そして、一番大事なのは、大変な上映会の準備をしてもらった主催者の人への感謝の連絡だ。

先日の上映会では、見に来てくれたお客さんの何人かが、自分の学校や地域で上映会をしたいと言ってくれた。私の場合、思いっきり無名なのだから、映画のウェブサイトを観ただけでは、やはり上映会の企画まで思い立ってくれることは稀だ。(事実、上映会問い合わせ専用のメールアドレスを持っているが、そこに知らない人から突然メールが来たことはこれまでない)。やはり、私を知っていたりとか、既に映画を見てくれたりした人のほうが、可能性がある。なので、上映会で新たな人と出会うのは、私にとって楽しみなだけではなく、今後にも繋がる可能性もあったりするわけだ。

映画作りに関して言えば、今は本当に誰でも作れる環境になってきていると思う。ビデオが小型化して、価格も安くなり、編集ソフトも手の届かない値段ではない。だけど、インターネット以外で発表できる場というのは、相変わらず敷居が高く、限られている。上映会をどうやって開催していくのかは、私だけでなく、私と同じように素人映画を作っている人たち皆が抱える課題だろう。そんなわけで、私は自分が実践している方法を発表していくことは必要だと思ったわけである。

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